第十話その2 ひとりぼっちにしないで
大神がすみれの不在に気がついたとき、
背後から閃光が走りました。
みながすみれの最期を悟ります。
それでも、時間がない、前進するしかない……
進み始めた一行は、しかしすぐに足を止めました。
紅蘭が通路の真ん中に描かれた星(五芒星?)の模様を気にかけたのです。
ここまで来て、展開の分からぬ私ではない……。
隊長も、一拍置いて、わかった、と答えます。
▲あくまで明るい紅蘭
五芒星は反魂の術でした。
これまで叉丹は、これを使って三騎士らを蘇らせていたようです。
術を阻止しようとする紅蘭ですが、
周りを敵に取り囲まれてしまいます……。
「ウチの居場所!ウチの未来!ウチの夢!」
攻撃されながら悲痛に叫ぶ紅蘭。
▲彼女の「秘密兵器」が発動する
残された面々の顔が悲痛に歪んでいきます。
それまでみんなを促していたマリアもついに無言です。
歯を食いしばるように、行くぞ!と唸る隊長。
その行く手を阻んだのは、黄昏の三騎士最後の1人、蝶です。
蝶の強力な攻撃を前に、次にこの場に残るのはマリア。
あなたには帝都を守る使命がある、と諭す言葉は軍人のそれでしたが、
最後の言葉は弱々しかった。
▲世界一、ききたくないわがままだった……
マリアのわがままなら、もっと他の場所で聞きたかった……。
残されたのはさくらとアイリス。
さくらは無言、アイリスは泣いていますが、
やっとこの先に霊子砲があります。
ですが、マリアにやられたはずの蝶が3人を追ってきていました。
3人を巻き込んで自爆しようとする蝶。
その懐へ飛び込んでいったのは、さくら。
▲さくらの悲壮な覚悟
死を前に呻いたさくら、
果敢に突撃したさくら、
穏やかに別れを告げたさくら。
さくらの当たり前の少女としての弱さと、帝撃花組の戦士としての強さを
いっぺんに見せられて、私は泣きたいやら震えるやら分かりません。
アイリスじゃなくたって泣いてしまうこんなの!
次のセーブ画面で見た隊員のページが
アイリスだけになっているのを見て、また体が震えました。
▲アイリスひとりになってしまった
聖魔城の外でも、戦いは続いています。
二千の降魔を相手に、ミカサが戦っていました。
帝撃三人娘の、椿ちゃんのこんなに厳しい顔を
今までに見たことがあっただろうか。
▲厳しい表情を浮かべる椿
思わず、米田は神に祈りを捧げます。
正義を救わせたまえ。
アイリスと大神の前に、ついに殺女が現れました。
2人で決着をつけようという殺女に、
大神も覚悟を決めます。
ケンカはだめだというアイリスに、手を出さないでくれという隊長。
なんだか、あやめの様子がおかしくなってからこちら、
大神とアイリスの会話はいまいち噛み合っていないような気がします。
アイリスの「ひとりぼっちにしないで」という、
先のイベントの台詞が頭をよぎりました。
まだ幼いアイリスにとっては、帝都の平和よりそれ以前に、
花組みんなの幸せが、みんなが一緒に笑っているその場所が、
何より大事で大切で、愛しく思っているのかもしれないなあ……と
そんなことを思いました。
結果的にそれがアイリスを戦場に立たせる理由なのでしょうが、
軍人スイッチの入った大神とは、何かが違うのかもしれない……
それが良い悪いという話ではないんですが、
もしそうなら、このすれ違いは切ねえ。切ねえ……。
一方のミカサ。砲台が次々と沈黙させられていました。
▲由里、かすみの顔も険しい。
しかし、舵を手動に切り替えた米田に、
まだ諦めの色はありませんでした。
花組がまだ中で戦っていて、霊子砲はまだ作動していないんですものね、
米田のおっちゃんが諦めるわけがない。
その3へ続きます。