【2周目】第一話その3 誇りある仕事
引き続き、2周目第一話その3です。
秘密部隊の隊長という辞令と、
劇場のキップのモギリ係という現状のギャップに
疑問と怒りを抱く大神は、支配人室へと乗り込みます。
部屋の前に立つと、米田中将が電話で
誰かと話しをしているのが漏れ聞こえてきました。
相手は、大神に任命書を渡してくれた花小路伯爵のようです。
酔った様子もなく、静かな声音で、
米田さんの語り口に滲むのは、
自ら刀を取り、戦場を駆けることができない屈辱でした。
そしてそれ以上に、戦わない、戦えない自分の代わりに、
誰かを――婦女子を、戦場へ送り出すことしかできない
そんな立場に対する口惜しさが多大にあります。
そして、屈辱とまではいかずとも、
戦場とはかけ離れたこの場所に不満を持つ男が1人。
「どういうことか説明してください!」
支配人室へ入って早速発生したLIPSで、大神がそう問いただすと、
米田は先ほどまでの静かな口調はどこへやら
赤らんだ顔で頭上の額縁を指します。
すると、「団 撃 華 国 帝」と
掲げられていたはずの額縁の字が変化し、
「団 劇 歌 国 帝」――つまり、華撃団が歌劇団に変わったのです!
衝撃を受け、なお食い下がる大神を、米田は笑います。
「確かに歌劇団は“秘密舞台”だよ。ハァッーハハハ!」
▲ダジャレかよ!!
悪い夢だ……と意気消沈する大神は、
支配人室へ乗り込んだときの勢いが嘘のよう。
ふらふらと廊下を歩いていると、
さくらが声をかけてくれました。
▲顔色が悪いと心配そうなさくら
LIPSが発生しますが、
頼むとも1人にしてくれとも言えず沈黙していると、
さくらは表情を一変させて笑顔になります。
勝手ながら送らせてもらう、と強引な言い方をしますが、
大神を気遣っての言い方なのでしょう。
さくらくん、いい子だな~……
部屋の前まで来た時、LIPSで部屋へ寄らないかと誘ってみます。
下心ありすぎる誘いですが、なんとOK!!
逆にいいのかいさくらくん!まだ出会って数時間ですぞ!!!
1周目も同じように誘ってみて
断られたような記憶があるんですが、
どこで分岐があったんだろう?
下心ありまくりで誘った私は大興奮ですが、
大神さんにはいまいち下心があるんだかないんだか分からない。笑
ちらかっているけどくつろいでくれと
ごく自然に言う大神に対し、
部屋に入ってきたさくらくんは緊張した様子です。
▲おいおいこれは……
男なら生唾飲み込むこと必至の台詞ですが、
大神さんはなんと華麗なスルー。
この男、ちょっと下心出してドキドキくらいしてもいいだろう!!
こういう妙に清純なところが大神さんのいいところですが、
それにしたってこのシチュエーションを逃す手があるのかいやない。
ハラハラするやらもだもだするやらしている私の思いを汲んでか、
やたら選択肢の多いLIPSが発生。
劇場について聞く、さくらについて聞く、華撃団について聞く……
ここはさくらについてでしょう!!
力一杯選択すると、信頼度が上がります。
舞台のこと、休日のこと、さくら自身のこと……
こんな風にゆっくり話す機会は、
1周目にもなかなかなかった気がして新鮮です。
しかも、なんだかめちゃくちゃいい雰囲気じゃないですか……。
和やかであたたかな空気の中、大神の部屋の扉がノックされますが、
気分が上向いた私という名の大神さん、
LIPSで「大神はなら留守ですよー」と堂々の居留守。
▲冗談が言える余裕が出てきたのはいいことだ
しかし、相手が悪かった。
扉の前にいたのはマリアでした。
とても冗談が通じる相手ではありません。
部屋に入ってくるなり、さくらがそこにいることに衝撃を受けるマリア。
▲見つかってしまった……。
舞台をすっぽかす気かと、マリアに追い立てられてさくらは退室。
そのマリアも、大神にしっかり釘を刺してから去っていきました。
信頼度はもちろんダウンです……。
素直に反省した大神。
しかし、大神はひとりごちます。
舞台に立つという仕事がある彼女たちに対し、
海軍士官学校を卒業しながら
モギリという仕事を与えられてしまった自分。
帝国華撃団という部隊で、
平和を守る仕事ができること。
隊長という大役を命ぜられたこと。
士官学校で賢明に学び、修練に励んできた大神が
それをどれだけ喜び、心躍らせ、やる気を漲らせていたことでしょうか。
それが、今まで夢にまで見た仕事が嘘だったなんて、
自分の身に置き換えても、考えるだにぞっとします。
一時のぬか喜びに終わり、やる気は行き場を無くして、
怒っていいのか悲しんでいいのか分からなくなる。
腹の底がぎゅっと握られたような感覚がします。
▲部屋もなんだか暗く重苦しく見える
消沈する大神は、前を向くことができるのでありましょうか。
この後の展開を知っているだけに、
私も帝劇職員の気分。
ああ、早く誰か教えてあげてくれ……。
余談ですが、漫画版のサクラ大戦の
このあたりの大神の描写には、たまらないものがありました。
大神の感じた屈辱や虚しさ、いらだちや悲しみに、
ちょっと泣きそうなくらいだった。
サクラ大戦漫画版、絵の丁寧さもさることながら、
描写が細かくって、シナリオの変更にも無理がなくって、
キャラクターの動かし方も魅力的だし、本当にいい作品ですね。
第二部も5巻を除いて集め終わったので、
続きを楽しみにしています。
閑話休題。
その4に続きます。