第九話その2 あなたにしか頼めない
シャワー室をそそくさと後にして、
倉庫へやって来た米田と大神。あやめさんもそこにいます。
ここからは顔を引き締めて話を聞きます。
2人が話してくれたのは、降魔についてでした。
降魔と人間との戦いは、400年も前から続くものであったようです。
もちろん、それらは霊子甲冑のない時代の出来事。
全く対等な戦いができたわけではなく、
6年前の降魔戦争では、当時米田たちと一緒に戦っていた
真宮寺一馬と山崎真之介が犠牲になりました。
破邪の力なき今、降魔に対抗できる力として、
米田は魔神器という祭具を見せてくれました。
▲しかし同時に、絶対に使ってはならないとも言う米田
増幅器である魔神器は今、帝劇で善なる力をもって
降魔の封印の最後の砦となっていますが、
悪しきものの手に渡れば、その悪なる力も増幅させることができると言います。
また、「聖魔城」という殺戮のために築かれた城の封印を解くことができる
鍵の役割も果たすそうです。
いやもう、魔神器いろいろ兼ねすぎじゃねえかな?!
とにかく、叉丹はこの魔神器を狙っているらしい。
これが帝劇にある以上、敵が帝劇を襲ってくるのは必至です。
あやめとともに、この魔神器の警護という秘密任務を与えられ、話は終わりました。
さて、舞台では紅蘭とアイリスが
なんとも絶妙な台詞回しで公演の真っ最中。
大ダライを頭に食らうアイリス。
笑劇、コントとは言え、女優が体張ってますなあ……。
大神は地下であやめさんと警護の作戦を練っています。
LIPSで、蒸気を噴出する罠を提案すると、
凛々しい顔つきで「いい考えね」と褒めていただけました。
▲大神の顔についた汚れをやさしく拭うあやめ
これからも自分に正直でいてね、と
切ない顔で言うあやめさんがちょっと気がかりですが、
そんな2人の様子を花組の面々がしっかりウォッチしているのでした。
▲なんつーヤラシイ表現するんすか!!
今日教えられたことを、
自室で大神が振り返ります。
魔神器と降魔について、破邪の力について、聖魔城について……。
謎の「気にかける」「気にかけない」という選択肢が現れ、
とりあえず「気にかける」を選択。
するとさらに思考が深くなり、
破邪の力の影響、魔神器が帝劇にある理由、降魔戦争についても
思い返して整理していきます。
これプレイヤーに対する配慮だな、ありがたい……
正直、色んなことガッと詰め込まれたので整理ついてなかった。
全てを読み終えると、
自室にアイリスがやって来ました。
どうも、昼間地下であやめさんと
作戦を練っていたときのことを疑っているらしい。
▲この三変化がかわいい
アイリスに詰問を受けますが、
作戦は機密事項で正直に話すわけにはいきません。
LIPSが発生し、「ごまかす」を選択。
お話してただけなんだよ!
嘘はついてないぞ!(ちょっぴり嘘かな……)
本当だよ。(魔神器のこと以外はね……)
大神さん、あなたもコント始めたんですかと言いたくなるようなカッコ芸。
しかしアイリスは真剣です。
本当の事も言えず、かといって上手い嘘をつくこともできず
口ごもってしまう大神に、アイリスは
やはり何か隠していると立腹して出ていってしまいました。
ここで、第4話のときのように心を読もうとしない(?)のは
ある意味信頼の証かな?などと深読みしてしまったのですが、どうでしょう……。
そもそもアイリスの心を読む能力って、
自分でコントロールできるものなのかな。
同時刻か、あやめさんは帝劇内をさまよい歩いていました。
ほとんど前後不覚状態です。
▲怪しい笑みを浮かべ、怪しい声を聞くあやめ
前回夢であやめが魘されていたあの人影が、
あやめを惑わせるように語りかけます。
明らかに、何かに乗っ取られているかのような、操られているかのような、
そんな動きをしているあやめさん……。
間に挿入される、叉丹と鹿のやり取り。叉丹の意味深なつぶやき。
自分は一体どうしてしまったのかと、繰り返しつぶやきながら、
あやめさんは2階から1階へ、そして地下へと移動していきます……。
ま、まさかそれ、行き先ってさあ。
ちょうどそのとき、大神が地下の見回りにやって来ました。
あやめさんのことを発見し、声をかけます。
それでこそ見回りだ!
すると、顔をしかめ、自分の体を抱きしめながら苦しみ始めるあやめさん。
▲エ、エr……なんでもないです
邪な感情が私の脳裏をよぎった次の瞬間、
あやめさんの態度が豹変し、大神の首を締め始めた!
ご、ごめんなさい!?!?!邪なこと考えたからか!?!??
冗談はさておき、あやめさんの様子が尋常じゃない。
修羅のような形相で、呻きながら大神のことを締め上げてきます。
あろうことか、そのまま大神の体を持ち上げ、宙吊りにする!
どんな力が働いているのか、
恐ろしい力で締め上げられているらしく、大神も抵抗できない。
▲普段のあやめからは想像できないような鬼の顔
高速LIPSが発生し、「抵抗する」を選択するも、
単純に力の差がありすぎるらしく振り払えません。
そのとき、アイリスが大神を探して帝劇の中を歩いていました。
地下へ差し掛かり、あやめに首を締められる大神を発見します。
アイリスの呼びかけで、ようやく大神はあやめから解放されました。
タイミングの悪いことに、ここで鳴り響く警報。
大神は語気を強め、アイリスに先に作戦室へ行くよう命じます。
▲食い下がるアイリスに、珍しく強い口調の大神
あやめさんは地下倉庫へ向かったようです。
嫌な予感しかしない行き先だ。
倉庫で再会したあやめは、どうやら正気は取り戻しているようですが
未だ苦しげに顔を歪めたままです。
自分のことはいいから敵を倒しに行け……というあやめさん。
そんな、そういうわけにも行かないでしょう!
大神さんも戸惑い、食い下がりますが、
あやめさんはそんな大神さんに一丁の拳銃を手渡します。
▲護身用とおぼしき拳銃
自分に何かあったら、これで自分を撃てというあやめさん。
いやだ、どう考えてもフラグだこれ……。
しかし、あなたにしか頼めない、という台詞は卑怯だ。
そんなの引っ込むことしかできないですよね……。
あやめに叱咤され、作戦室へ向かう大神さん。
後に残されたあやめは、何事かを否定するようにつぶやきながら、
自分の体を抱きしめていました。
その3に続きます。