第十話その4 神様のちゃぶ台返し
叉丹を倒した今、心のどこかで
あの選択を後悔している自分がいます。
あやめさん………。
第十話その4です。
ミカサが、霊子砲のエネルギーの高まりを察知していました。
しかし、主砲をすべて失い、メインエンジンもやられ、
ミカサはぼろぼろの状態です。
米田が三人娘に脱出を命令します。
▲同じ台詞を吐いて倒れた緑の神武を私は知っている
米田の剣幕に押される3人。
米田はミカサの出力を全開にし、聖魔城へ特攻を開始します。
ほらーやっぱりそういうことするー!!!!
アニメーションが挿入。
放たれた霊子砲に真正面から突っ込み、
ミカサは霊子砲の光を切り裂きながら聖魔城へ激突しました。
「勝ったのか…?!」
つぶやく大神。ダメだよそれはフラグだよ!!
当然そこへ、叉丹が再登場します。
その姿を、叉丹から「サタン」に変えて。
▲より禍々しい姿になった叉丹もといサタン
ここでナレーションが入り、
父なる神と大天使・ルシフェル、
そして地獄の始まりと悪魔王サタンについて語られました。
語られた悪魔王サタンと、叉丹からサタンへ变化した彼が同一人物、
ならぬ同一神物なら、花組はずっと
悪魔のちゃぶ台返しを阻止しようとしていたのか?!
▲首元に塗り忘れがあるとか決して言ってはいけない。
ふんどしみたいになってるとか言ってはいけない。
サタンは津波を起こし、雷を降らせ、
炎を巻き起こして世界を破滅させようとします。
その時……!
倒れ伏していた殺女の神威から、
白い光が溢れました。
▲清浄な光に縁取られた殺女
そして。
▲?!?!?!?!!?!!
▲まあそういう反応になるよね!!
「あやめ……さん……?」
いやいや殺女以上に別人だよ!!!!!!!!
思わず突っ込みを入れた私。
白い光に包まれ变化した殺女は、大天使ミカエルを名乗りました。
もう、な、なんだってーの嵐。
殺女戦を終えて以降 恐ろしくナイーヴな気持ちになっていたのだが、
今や感動している余裕すらない、全ての余韻が吹っ飛ぶこの展開。
殺女の中に封じられていたというミカエル様。
つまりなんだ、あやめさんの中に殺女がいて、
その中にさらにミカエルがいたのか?マトリョーシカかよ!
仲間を失ってしまった、という大神に、
ミカエルは立ち上がれといいます。
倒れた仲間たちが次々に画面に写り、その体が発光します。
▲力強い言葉、慈愛の眼差し
そして……!
▲大神とアイリスの周りに現れた、これは……!
皆が還ってきた!!!
あまりにも明るく、いつもどおりの皆。
LIPSが発生。
「帝国華撃団、出撃せよ!!」
6人が見得をするように声高らかに、光となって飛び立ちます。
ミカエルの守護を得た花組と、サタンとの戦いが始まります!
その5に続きます。
第十話その3 二度目のさよなら
殺女と三度目の再会を果たし、
大神は殺女との戦いを決意します。
LIPSが発生、“あやめさん”に、正気に戻ってくれと訴えかけます。
しかし、殺女はこれまでに幾度となく聞いた台詞を繰り返します。
「あやめはもう死んだ」と。
▲銃を撃たない選択肢を選んでいたら、この台詞は違うものだったんだろうか
攻撃される大神ですが、またLIPSが発生。
「あなたと戦いたくない」を選択。
銃を撃った手前何をという感じだが、知るか!
殺女は容赦なく攻撃を繰り出してくる。
LIPSが続く。
「あやめさん、やめてくれ!」
ひたすら訴えかける選択肢を選び続ける。
殺女の口調に、ときどきあやめさんが混じってくる。
大神を大神くんと呼び、お前という呼称が君に変わる。
アイリスも叫ぶ。早く元に戻ってくれと。
しかし、殺女は聞く耳を持たない。
大神に、最後の一太刀を浴びせようと剣を振りかざす。
その一太刀を受けたのは、アイリスだった。
▲場違いなほど静かな会話
大神機から青白いオーラが立ち上り、
大神は場違いに静かな口調のまま、
殺女に――あやめさんに語りかけ始めた。
あやめのことが好きだった自分のこと。
世界が滅んでも、あやめのいた日々に帰りたいと願っていたこと。
しかし、とそこで口調を改める。
力強い口調で叫ぶ。
「もう、俺は迷わない!!」
ここからは戦闘フェーズです。
1ターン目から必殺技を浴びせかけると、
殺女が話し始めます。まるであやめさんに戻ったような口調で。
しかし、戦闘は続く。とはいえ、
1対1の戦いですから、お互い移動せず攻撃→防御を繰り返すのみ。
先攻のこちらが体力を削るのが早くて当然です。
3ターン目で、戦闘はあまりにもあっさりと終了しました。
殺女が叫びます。さあ、トドメを刺せと!
ここで、今までで一番につらいLIPSが発生。
選択肢は、「とどめを刺す」の一択のみ。
制限時間は短い。
あっという間に時間が来て、私は、とどめを刺すことを選んだ。
これは後で思ったことなのですが、
この選択肢に苦しんだとき、
「ああ、サクラ大戦をプレイしてよかったな」と思いました。
サクラ大戦は、TVアニメもOVAも、小説も漫画もCDもある、
プレイ日記や攻略方法もネットの海にはいくらでも書かれているし、
今ならプレイ動画だってたくさん見ることができます。
しかし、きっとそれだけでは、こんなにみんなに思いを寄せて、
大神に感情移入して、シナリオを追えなかったと思うのです。
プレイする前は「大神さん」と呼んでいた大神一郎が、
ここまでプレイしてきてやっと
自分の分身であることに馴染んできましたし、
花組のみんなを、「あこがれの花組」という客席からの目線ではなく
「自分の仲間である花組」として見ることができるようになりました。
だからこそ、私はサクラ大戦をこんなにも楽しむことができ、
笑い、怒り泣き、苦しむことができたんだなあ。
そうして、隊長が剣を振るい、
殺女は魔操機兵とともに消えました。
そこへ、不敵な笑い声を上げる叉丹が現れます。
今度こそ、叉丹を討たねばなりません。
▲痛いところを突いて来やがる
魔操機兵――神機と叉丹は呼んだので、別のものなんでしょうか?
叉丹がその神機・神威に乗り込み、戦闘フェーズに移ります。
今度は、アイリスと2人での戦いです。
アイリスの頼りになるところは、
やはり通常攻撃の範囲が広いことでしょうか。
叉丹戦は他に降魔が5体ほどいましたが、
合体攻撃とアイリスの攻撃範囲の広さで
ほとんどダメージを受けることなく殲滅することができました。
おかげで「かばう」が余りまくり、
いざ叉丹を残すのみとなったときも危なげない。
そして――叉丹を倒すことができました。
その4に続きます。
第十話その2 ひとりぼっちにしないで
大神がすみれの不在に気がついたとき、
背後から閃光が走りました。
みながすみれの最期を悟ります。
それでも、時間がない、前進するしかない……
進み始めた一行は、しかしすぐに足を止めました。
紅蘭が通路の真ん中に描かれた星(五芒星?)の模様を気にかけたのです。
ここまで来て、展開の分からぬ私ではない……。
隊長も、一拍置いて、わかった、と答えます。
▲あくまで明るい紅蘭
五芒星は反魂の術でした。
これまで叉丹は、これを使って三騎士らを蘇らせていたようです。
術を阻止しようとする紅蘭ですが、
周りを敵に取り囲まれてしまいます……。
「ウチの居場所!ウチの未来!ウチの夢!」
攻撃されながら悲痛に叫ぶ紅蘭。
▲彼女の「秘密兵器」が発動する
残された面々の顔が悲痛に歪んでいきます。
それまでみんなを促していたマリアもついに無言です。
歯を食いしばるように、行くぞ!と唸る隊長。
その行く手を阻んだのは、黄昏の三騎士最後の1人、蝶です。
蝶の強力な攻撃を前に、次にこの場に残るのはマリア。
あなたには帝都を守る使命がある、と諭す言葉は軍人のそれでしたが、
最後の言葉は弱々しかった。
▲世界一、ききたくないわがままだった……
マリアのわがままなら、もっと他の場所で聞きたかった……。
残されたのはさくらとアイリス。
さくらは無言、アイリスは泣いていますが、
やっとこの先に霊子砲があります。
ですが、マリアにやられたはずの蝶が3人を追ってきていました。
3人を巻き込んで自爆しようとする蝶。
その懐へ飛び込んでいったのは、さくら。
▲さくらの悲壮な覚悟
死を前に呻いたさくら、
果敢に突撃したさくら、
穏やかに別れを告げたさくら。
さくらの当たり前の少女としての弱さと、帝撃花組の戦士としての強さを
いっぺんに見せられて、私は泣きたいやら震えるやら分かりません。
アイリスじゃなくたって泣いてしまうこんなの!
次のセーブ画面で見た隊員のページが
アイリスだけになっているのを見て、また体が震えました。
▲アイリスひとりになってしまった
聖魔城の外でも、戦いは続いています。
二千の降魔を相手に、ミカサが戦っていました。
帝撃三人娘の、椿ちゃんのこんなに厳しい顔を
今までに見たことがあっただろうか。
▲厳しい表情を浮かべる椿
思わず、米田は神に祈りを捧げます。
正義を救わせたまえ。
アイリスと大神の前に、ついに殺女が現れました。
2人で決着をつけようという殺女に、
大神も覚悟を決めます。
ケンカはだめだというアイリスに、手を出さないでくれという隊長。
なんだか、あやめの様子がおかしくなってからこちら、
大神とアイリスの会話はいまいち噛み合っていないような気がします。
アイリスの「ひとりぼっちにしないで」という、
先のイベントの台詞が頭をよぎりました。
まだ幼いアイリスにとっては、帝都の平和よりそれ以前に、
花組みんなの幸せが、みんなが一緒に笑っているその場所が、
何より大事で大切で、愛しく思っているのかもしれないなあ……と
そんなことを思いました。
結果的にそれがアイリスを戦場に立たせる理由なのでしょうが、
軍人スイッチの入った大神とは、何かが違うのかもしれない……
それが良い悪いという話ではないんですが、
もしそうなら、このすれ違いは切ねえ。切ねえ……。
一方のミカサ。砲台が次々と沈黙させられていました。
▲由里、かすみの顔も険しい。
しかし、舵を手動に切り替えた米田に、
まだ諦めの色はありませんでした。
花組がまだ中で戦っていて、霊子砲はまだ作動していないんですものね、
米田のおっちゃんが諦めるわけがない。
その3へ続きます。